在外公館派遣員制度で身に付いたスキルなど、その後を綴ってみた

文化

こんにちは。たーきーです。

本日は在外公館派遣員制度を通して身に付くスキルについてご説明したいと思います。

筆者は在外公館派遣員制度で2年間の在外公館勤務を経て、現在は別の企業で働いています。

契約後しばらく経った今、在外公館派遣員制度での勤務経験からどのようなスキルや知識が身についたかを振り返ってみました。

在外公館派遣員制度に興味がある方や、海外で働いてみたい、海外に住みたいという考えをお持ちの方にはぜひ読んでいただければと思います。

在外公館派遣員制度に応募するのに迷っている方の助けに少しでもなれば幸いです!

(プライバシーの観点から赴任先の国は伏せていますので、ご了承ください。)

目次
  • 語学力
  • 国際的な素養、異文化理解(日本⇔海外という誤った考え方)
  • 政府機関に関する知識
  • 計画性

語学力

初めにお伝えしますが、私は2年間あったにも関わらず現地語は片言でしか話せません。

(現地語に関心がなかった&現地語を学ぶメリットが少なかったという言い訳で今回は留めておきます。)

代わりと言ってはなんですが、現地ではほとんど英語で生活していたので英語力は伸びました。

ということで、今回は「英語を伸ばしたい方が非英語圏で2年間過ごした場合、英語がどれくらい伸びるか」という観点で読んでいただければと思います。

まず、私の英語力ですが、

TOEIC

赴任前:850点 → 現在:950点程

スピーキング

赴任前:留学1年から帰ってきた人くらい

現在:日本語に対して90%程の正確性とスピード

といった感じです。

それでは2年間の海外生活がどのように語学力に貢献したかをご説明したいと思います。

職場での環境

私の場合は日本語、英語、現地語の割合が4:4:2くらいでした。

現地でともに働く外交官とは日本語、日本語が話せない現地スタッフとは英語でした。

旅行代理店やホテルの担当者とのメールや電話でのやりとりは英語でした。

どの国でもホテルや旅行エージェントなどの職種では英語が話せる方が多いと思います。

このような環境から、日本の企業で働くよりも、英語を使う機会は多かったと思います。

ちなみに、電話での問い合わせなどで英語が通じない場合は片言の現地語で乗り切っていました。笑

海外在住という環境

自分の日本での生活と異なる点を挙げると、

・外国人の友達と過ごした時間

ちなみに、日本でも同じですが、どこの国でも外国人は英語が話せる人が多いので(じゃないと生活できない)、友人はほとんどが外国人でした。

・Netflixなどのストリーミングサービスは日本語字幕/吹替も無く、現地語OR英語しかなかったこと

・好みで携帯やPCの設定を英語にしたこと(Googleマップや現地の配車アプリは日本語設定だと対応しないOR使いづらかったです。)

・SNS等でフォローしているコンテンツも欧米圏のものが多くなっていったこと(外国人コミュニティにいると共通の話題は必然的に欧米圏のトレンドやコンテンツが多くなります。)

でした。

上記から察せる通り、こちらも「英語に触れる/使う時間の増加」が英語力アップに貢献したと感じました。

少し話はズレますが、「あれ?大半が日本でもできるじゃん?」と思った方は、その通りです。

私の友人でも、海外に行かずに国内で英語に触れる環境を増やすことで、帰国子女ばりに英語を話す人がいます。

留学や海外生活は、あくまでも、強制的に英語を使わないといけない環境に自分を置くことで、ある意味ラクに英語を学ぶ手段であると私は考えております。

語学を伸ばしたいという理由だけであれば、国内でも達成可能です。

ただ、自分でそこまで頑張れる自信がないと言うのであれば、英語を話さなければいけない環境に身を置ける留学や本制度を検討してみると良いと思います。

ちなみに、日本にいても英語力を伸ばす環境を作れる方法を別記事にまとめているので、こちらも是非チェックしてみてください。

政府機関に関する知識

まず、1つ目に外務省そのものに関する知識ですね。

そもそも在外公館は外務省が運営する海外支店のようなものです。

そのため在外公館は本省の指示のもと動いているため、本省が一年を通してどのような仕事をしていてるのか大きく見る事がわかります。

またこれに加えて、現地で得た情報を本省(外務省)へ報告したり、日本から要人が来るときのコーディネーター役を果たします。

さらに言えば、各省庁からの出向者がそれぞれの任務で在外公館を活動地点として赴任するため、在外公館を運営するのも外務省の大きな役割の一つです。

そして、2つ目に官公庁(行政)に関する知識です。

私は恥ずかしながら各省庁の名前もよくわからない状態で赴任したのですが、一緒に働いている方の出向元を聞いたり、業務を通して名前などをみている間に自然と政府機関について詳しくなっていきました。

ここで、国や行政について知ることの大事さを少し説明させてください。

社会は国→企業→個人と言った形でピラミッド構造になって動いていると私は考えています。

例えば、国が輸出を増やすといえば、輸出に関する補助金などが増え、利益を求める企業は補助金が出ているなど、チャンスのあるビジネスに集まります。

そして当然、私たち個人は給料(収入)があってこそ消費(支出)ができるため、企業の業績に生活が左右されます。

一番上層である国の動きを知ると、私たち個人はより良い生活もしくは安定した生活を維持するために何をすれば良いのかが見えてきます。

また、ニュースを読むのは大事とよく言われますが、これは、国よりさらに上のレイヤーである、つまり国の動きを決める、経済・外交など、世の中の動きを把握するためのものであると私を思っています。

学生の頃はニュースを読んでも何の話かわからないこともありましたが、在外公館での勤務を経て、より内容を構造的に理解できるようになったと感じます。

時事ニュースに強くなれば、会社の上司との会話も弾みます。

これは身につけて損はないスキルだと思います。

国際的な素養・異文化理解

個人的にはこれが何より大事かなと思います。

例えば、海外に興味がない方は、他国を

日本:海外

と1対1で捉えがちです。

しかし、日本は数百国あるうちの一つの国。

地球から空を眺めて、宇宙と地球ととらえる感覚と似ていますね。

この偏った考えを取り払うには、それなりの期間は異文化に身を置かなければなりません。

そういった面では、在外公館派遣員制度では海外で働くので、ただ旅行で外国人と出会うのとは違い、嫌いでも一緒にいて、同じ日本人同士でも難しい仕事を、言葉通じないような相手と共に取り組まなければいけません。

そんな環境に2年もいれば、気がつけばあなたも立派な国際人になっているでしょう。

また話は外れますが、こんなお手本みたいなストーリーも聞いたことがあります。

中東の公館にいた同期から聞いた話では、ラマダンというイスラム教の行事の最中ではムスリム(イスラム教徒)はおよそ1ヶ月の間、日中は断食をします。

日の出から日没まで、一切飲み食いしないので、断食中の方はグッタリもしくはイライラしていて大変だと言っていました。

またラマダン期間中は勤務時間が短くなったり、レストランが閉まっていたりと、社会全体もラマダンに合わせてスローダウンします。

日本で、断食中のコンディションでは仕事はやっていけませんが、社会全体が違えば、うまく回るもんなんです。

日本ではこんなに働いても働いても豊かになれないのに、他国ではそんなことをしても不思議と社会は回っているんだなと、少し考えさせられました。

「石油が出るからそんなことしてても生活できるだ!」「彼らは消費社会に生きていないから」など色々な見方ができますが、我々も一息ついて我々のやり方を改めて考えてみても良いのかもしれませんね。

計画性

これこそが本職に求められているスキルそのものだと言っても過言ではないでしょう。

便宜供与とは要人訪問の際のホテル手配やスケジュール策定。

当日の流れをイメージして、分単位で段取りを行います。

大臣はこの日時にこの空港に到着するので、空港には何日までにはアポをとって、ホテルはあそこのあの部屋をとって、当日は何時に出発して、、と職場のみんなで準備します。

本省から急な変更やリクエストが入ってあたふたするなんてことも、しばしばあります。

私もこの仕事のおかげで、旅行の計画はとても素早くなりました。。笑

早朝便で到着するゲストがいれば、その数時間前には起きて準備を始めなければいけないなんてこともあり、大変な日もありますが、いろいろな人とコミュニケーションをとって、準備して、当日スムーズに物事が運んだ時は達成感を感じました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

資格や肩書にはならないですが、海外に住んで、働いて、という既に難易度の高い環境にいるので、人間としてパワーアップできるのは間違い無いかと思います。

下記の記事では在外公館派遣員制度そのものについて、またその後のキャリアについても書いているので、ぜひチェックしてみてください。

最後までご精読ありがとうございました。

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